2013年09月10日

レスリングがオリンピックの除外競技から勝ち残った理由



2020年に東京で開催されるオリンピックで実施される28の競技のうち、
残る1つの枠を、レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュの3つで
争っていましたが、

ブエノスアイレスで開かれているIOC総会で、レスリングが実施競技に
決まり、次の2024年大会でも実施されることになりました。

前回の東京オリンピック開会式

投票の結果は、レスリングが49票で最も多く、野球・ソフトボールが24票、
スカッシュが22票でした。

レスリングは1896年の第1回アテネ大会から一部の大会を除いて
行われてきた伝統競技で、2004年のアテネ大会からは女子も
正式種目になっています。

日本はレスリングで、これまでオリンピックで金メダル28個を含む
62のメダルを獲得し、お家芸とも言われてきましたが、今年2月の
IOC理事会でレスリングが除外候補に上がってしまいました。

その後、実施の継続を求める声が強まる中、分かりにくいと言われていた
ルールの見直しや組織改革を進めた結果、今回の決定につながった物と
みられています。

レスリングの試合

そもそもIOCがオリンピック競技の入れ替えを進めるようになったのは、
2001年にロゲ会長が就任してからのことです。

日本などの先進国であれば、競技数が増えてもそれほど運営に支障は
ないのでしょうが、国際大会に不慣れな国なでであれば、競技数が
多くなるとそれだけで開催が難しくなってしまいます。

競技数を制限することは、大会の肥大化を防ぎ、開催地の負担を増やさない
一方で、各競技の間で競争を生み、オリンピックの活性化を図ることが
ねらいでした。


2005年の総会では、史上初めてIOC委員の投票によって、競技の
数を削減し、2012年のロンドン大会から、野球とソフトボールが
除外されることになりました。

さらに2009年の総会では、2016年のリオデジャネイロオリンピックで
新たにゴルフと7人制ラグビーを実施することが決まりました。

レスリングがオリンピック競技から除外される競技の候補となったのは、
今年2月のIOC理事会です。

新国立競技場予想図

IOCでの投票の結果、陸上や水泳などの「25」の中核競技から、
レスリングが外れることになり、

東京オリンピックで実施される28の虚偽の残り1枠をめぐって、
スカッシュ、野球・ソフトボールと争うことになったのです。

古代から行われてきたスポーツであるレスリングが実施競技から
外されると言うことは、レスリングの連盟や関係者にとっては、
まさしく「寝耳に水」の出来事でした。

そして、IOCによる競技の入れ替えの方針は、第1回大会から
行われてきた伝統競技であっても例外はないということを印象づけました。

2020年にオリンピックが開かれる東京にあるスカイツリー

衝撃を受けた国際レスリング連盟では、その後、素早い対応を見せました。

直ちに、IOCから疎まれていたそれまでの会長を解任し、代わりに
国際的に豊富な人脈を持つ、セルビアのラロビッチ氏を会長に据えました。

そして新たに就任したラロビッチ氏は「これまでの連盟は閉鎖的だった」
と認め、IOCと話し合いを続けながら、組織の改革に取り組みました。

改革は迅速に進められ、新たに女性委員会や、選手委員会を設置して、
幅広く意見を取り入れるシステムを作りました。

競技実施の際の階級にもメスを入れて、次のリオデジャネイロオリンピックでは、
男子の階級を2つ減らして女子を2つ増やし、男女同数にしました。

レスリングの試合

また、ルールの変更にも踏み切り、

選手に積極的に攻撃を促すため、
・タックルなどみずから攻撃をしかけた場合の得点を増やす
・消極的な選手には早めに警告を与える。

などの、より観客に分かりやすく、盛り上がる試合を増やすようにしました。

こうした迅速で目に見える改革がIOC委員の支持を得て、2020年の
オリンピックの存続が決まりました。


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posted by 如月実 at 16:18 | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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