9月9日、航空自衛隊が東シナ海で国籍不明の無人機が飛行しているのを確認し、
撮影した写真を公表しました。

この無人機について、中国国防省は中国軍の所属だということを認めました。
防衛省では以前から中国軍の無人機が東シナ海で飛行を行っているのを確認
していたということです。
中国は活発に海洋進出を推し進めていますが、今後、無人機が日本の領空を
侵犯する可能性もあるとして、そういった場合の具体的な対応について防衛省で
検討を進めています。
無人機の場合、有人機と違い、無線や警告信号が通じない可能性が高く、
領空を侵犯して、日本の安全が損なわれるような事態となった場合、無人機の
撃墜も選択肢として検討することにしています。
防衛省では、今回、飛行していた無人機は中国が開発した「翼竜」である可能性が
高いとして、
その飛行の意図や能力などについて、今後、分析を進めるとともに沖縄県の
尖閣諸島周辺を中心に監視を強めるとしています。

翼竜
「翼竜」は偵察に加えて空対地ミサイルも装備できる、全長約9メートルの
無人機で、航続距離は約4000キロ。
また、機能や大きさは米軍の無人機「プレデター」に似ているといわれ、
米軍の無人機「プレデター」や、その拡大改良タイプの「リーパー」と同程度の性能を
備えているともいわれています。

プレデター

リーバ−
ちなみに2012年末に米軍の無人機グローバルホークが中朝国境付近で、
中国軍に撃墜されています。
米軍は、墜落した機体の返還を要求しましが、中国はこれを拒否。
同機を分析し、似たような無人機を作った可能性もあります。

グローバルホーク
ちなみに、グローバルホークは純粋な偵察機で、自衛隊でも、
早ければ2015年度にも導入される予定です。
なお、リーパーは敵地などの情報を収集し、管制センターとリアルタイムで
データのやりとりをしながら、地上からのコントロールが可能で、離れた場所から、
精密誘導爆弾で目標をピンポイントで攻撃できる能力を持っています。
無人機 リーパ−
西側の軍事専門家によれば中国の翼竜は、プログラムされた飛行を行うことは
できますが、
地上からのコントロールでリアルタイムに誘導することができるかどうかについては
否定的な見解が多いようです。
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