東京−名古屋間を結ぶリニア中央新幹線は、山梨県内の実験線で営業運転に
向けた走行試験が先月から再開されましたが、
JR東海では9月18日、リニアの工事に関する環境アセスメントの結果を、
沿線の7つの都県と39の市区町村に提出し、
駅の設置場所や詳細なルートの最終的な案を発表しました。

リニアの駅が設置されるのは、
品川駅(新幹線ホームの地下)
神奈川県相模原市緑区のJR橋本駅近くの地下
山梨県甲府市大津町の地上
長野県飯田市上郷飯沼の地上
岐阜県中津川市千旦林近くの地上
名古屋駅(新幹線ホームの地下)
の6つの駅です
ルートのほとんどは地下のトンネルとなり、岐阜県中津川市と相模原市緑区に
車両基地が建設されるということです。
JR東海では今後、沿線の自治体で合計92回の説明会を開き、住民などの
意見を聞いたうえで、来年度から着工を開始したいとしています。
「リニア中央新幹線」は、14年後の2027年に東京−名古屋間、
32年後の2045年に大阪までの全線で、開業を予定しています。
リニア車両も含めた建設費用は、東京−大阪間の全線開通までに
9兆300億円が必要と見積もられており、全額JR東海が
負担することになっています。
リニア新幹線の最高時速は500キロで、完成すれば東京−名古屋間を
わずか40分で、東京−大阪間も1時間7分で結ばれることになります。

この地下に・・
公表されたリニア中央新幹線の詳細なルートを見ると、東京−名古屋間の
全286キロのうち、86%の246キロが都市部の地下や山岳部の
「トンネル」になります。
しかも、東京、静岡、愛知県内は全てトンネルとなり、品川駅地下の
ターミナル駅を出発したあと、42キロにわたってトンネルが続きます。
神奈川県相模原市の橋本駅付近に設けられる最初の中間駅も地下で、
その先の相模川を渡る付近でいったん地上に出ますが、すぐに
トンネルに入ります。
しかもJR東海は、地上部分についても市街地などでは防音対策のために、
線路周囲をコンクリート製の「フード」で覆う方針です。
しかし、地元の自治体からは車内から外の景色を楽しめないとして
改善を求める声が出ており、
JR東海はコンクリート製のフードに「小窓」のようなものを作って
外の景色が見えるようにすることも検討しています。
このような意見聴取や手続を経て、JR東海は工事を国に申請する予定で、
来年度の「着工」を目指しています。
こうなれば、東京オリンピックが開かれる2020年までに開業の前倒しが
できないかという希望も出てきますが、
工期を半分の7年にするのは、さすがに困難なようで、JR東海や
国土交通省は「難しい」という認識を示しています。
でも、東京オリンピックまでにリニア新幹線が開通したらどんなに
すばらしいかと考えてしまいますね。
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