2014年09月10日

デング熱感染者100人越えへ、蚊の生態からみる今後の大胆分析



9月10日のNHKの報道によるとデング熱
感染者は15都道府県、96人にのぼっている
そうです。

デング熱を媒介しているヒトスジシマ蚊は、
今年の日本の気象予想では11月上旬まで
活動しそうということですから

感染者が100人を超えさらに増加していくのは
避けられないようです。

ヒトスジシマ蚊

さて、このデング熱の感染者

これまでの広がりと、感染者の数、デング熱を
媒介するヒトスジシマ蚊の生態から

今後の感染の広がりの見通しについて予想
してみたいと思います。


私は蚊の専門家でもデング熱の専門家でも
ありませんから

素人が常識的な範疇で、大雑把に予想した
ものですので、確たる根拠のあるものでは
ありませんが

それほど的外れな予想でも無いと思います。


まず、デング熱を媒介する蚊は

ネッタイシマ蚊とヒトスジシマ蚊

ヒトスジシマ蚊
ヒトスジシマ蚊


ただし、ネッタイシマ蚊は今のところ日本国内では
確認されておらず

日本の広い地域(青森を除く東北以南)で生息
しているヒトスジシマ蚊がデング熱媒介の原因に
なっています。


ちなみに一般的な蚊の生態は

卵から生まれると数日で羽化

寿命は30〜40日でその間に4〜5回血を吸う

血を吸うのはメスだけで産卵の前に栄養補給
として血を吸う

産卵は数日おきで、普段は花の蜜などを吸っている。

というものです。


一方デング熱については

デング熱にかかった人を刺したヒトスジシマ蚊に
刺されてデング熱に感染

デング熱の潜伏期間3〜15日

通常は4〜7日の潜伏期の後突然の発熱、頭痛、
筋肉痛、関節痛、発疹

重傷にならなければ発症後1〜2週間で回復という
ことになります。

なお、デング熱はペットなどの動物を媒介して
伝染することはないとされています。

ヒトスジシマ蚊

これらの条件を整理してみると

ヒトスジシマ蚊は

数日おきに人の血を吸い

一生の間に4〜5回人の血を吸うこと

ただし、デング熱を感染させるのは、デング熱に
かかっている人間を刺した後ということになるので

実際には、一匹のデング熱を持った蚊が人を刺す
のは一生の間に最大で3〜4回

仮に4回目の吸血でデング熱に感染したとしたら、
多くても1回しか人を刺さないということになります

例:丸数字はデング熱にかかった人を刺した時

@2345

123C5


ヒトスジシマ蚊は1回に50個ほどの卵を産みますから、
一生の間に200〜250個の卵を産むことになります。

しかし理論的にその中から生き残るのは平均して
2匹だけ(オスメス各1匹)

(でないと、数が爆発的に増えてしまいます)


ほとんどは卵やボウフラの時にやられてしまう
のだと思いますが、自然界

特に食物連鎖のかなり下の位置にいると思われる
蚊の生存率は低いと思われます。


デング熱にかかったヒトスジシマ蚊が、のうのうと
人生ならぬ蚊生を全うできるとも限らず

ということを加味すればデング熱に感染した人を
刺したヒトスジシマ蚊がさらに他の人を刺す回数は
平均すると

大胆に見積もってせいぜい1〜2回ということでは
ないでしょうか

代々木公園

逆に人の方の条件を整理すると

デング熱に感染したヒトスジシマ蚊に刺される

潜伏期間は数日

仮に1週間とします。

その後は発病し、発病後は病院に入院、回復

ということになります。


ということは、デング熱にかかった蚊に刺された
保菌者が代々木公園付近で活動する期間はせいぜい
1週間程度

また、デング熱が発症した人の多くは他県から訪れた
人も多く、蚊に刺されたときだけ代々木公園にいた
可能性があり

おそらくその人達はデング熱を媒介していない

か、もしくは代々木公園ではなく自分が住んでいる
地方で媒介している可能性はありますが・・・

ボウフラ

さて、デング熱が最初に発見されたのは
8月20日です。

仮にデング熱にかかった人が代々木公園に来て、
蚊に刺されたとして

蚊の産卵サイクル(約1週間)からして、
感染した蚊が人を刺すのはその1週間後


そしてその蚊にかまれた人がデング熱を発症
するのは潜伏期間を考慮してさらに1週間後
になりますから

逆算すると8月20日の2週間前


つまり、8月上旬に最初の蚊がデング熱に
かかった人を刺した可能性があります。

もちろんそれ以前から流行していてデング熱と
気が付いていなかった例もあるかもしれません
がね。

現在(9月10日)は、最初のデング熱発覚
(8月20日)から約3週間

蚊の産卵サイクルからいくと3サイクル経過
しています。


ここからが大胆予測

感染源のほとんどは複数回、代々木公園付近を
行動した人のはずですから

***************

保菌した蚊に刺される
   ↓
後日感染した人が公園を訪れる
   ↓
蚊に刺される
   ↓
刺した蚊が感染する

***************

代々木公園周辺に住んでいるか、仕事で度々
近くを行動する人など

ということで、

まあ、潜伏期間の1週間のうち仮に3回代々木公園に
行き

各回3匹の蚊にかまれたとします。

代々木公園

都合9匹の蚊にウイルスを伝達(数字に根拠は
ありません、常識的な腰だめの推測です)

感染した蚊は産卵後1週間後に

生存競争に打ち勝ち3分の2の6匹が生き残り

6人の人の血を吸いデングウイルスを媒介


その6人のうち、3人が代々木公園に度々
来る人で

同じように

27匹の蚊にウイルスを移し
(3人×3回訪問×3匹)

さらに産卵した1週間後(デング熱発覚から
2週間後)その内の18匹が生き残り

18人の人の血を吸いウイルスを媒介

遠方の人を除き

9人がさらに81匹の蚊にウイルスを媒介
(9人×3回×3匹)


産卵してから1週間後(デング熱発生から3週間後)
その内54匹の蚊が生き残り

54人にウイルスを媒介

ということで一人の感染者に対して、最初の
感染から3サイクル(3週間)で

1+6+18+54=79人の感染者になることが
分かります。(延べ人数)

デング熱患者が収容されている外国の病院


ただし、感染しても発病しない人や、発病しても
夏のインフルエンザということで済ませてしまって
いる人もいます。

現在約100人の患者がいるとすると潜在的な
感染者は延べ200〜300人程度ということに
なります

潜在患者を含めれば、今回の計算の最初の段階で
1人ではなく3人程度が感染していたということ
ですから

最初の感染はそのさらに1週間ほど前

7月下旬から始まっていた可能性があります。


大胆すぎる推計で細かいところの論理飛躍があり、
数字の根拠もあいまいで

数学的にもう少し精緻な計算、防疫学などの見地
からの理論づけもあると思いますが

当たらずとも遠からずという部分も有るのでは
無いかと思います。

代々木公園での殺虫剤散布作業trend807.jpg

現在、公園を立ち入り禁止にしたり、薬剤の散布、
その他様々な対策がとられていますから、

これまでの計算のように3倍増ゲームで増えては
いかないと思いますが

相手がヤブ蚊で、完全な駆除もなかなか難しいと
思います。


11月まで、蚊の産卵サイクルからいくと
後7サイクルあります。

数字の遊びですが7サイクルで

3倍増   約21万人
2倍増   約1万2000人
1.5倍増 1640人
1.2倍増  344人

となります。


代々木公園という都会のど真ん中で、大勢の人が
集まる

しかもヤブ蚊が繁殖しやすいという特殊な環境での
デング熱の流行とも言えますが

周辺では潜在的な患者さんが日々、蚊に刺され、
デング熱を保菌している蚊を増やしていますから

東京近辺の方は十分な注意が必要ですね。


それに私のような田舎に住んでいる者も、まあ、
周りがヤブ蚊だらけですから、感染が広がったら
逃げられないのかもしれません。

今後は冬のインフルエンザに対して夏のデング熱が
風物詩になるのかもしれません

インフルエンザ予防のためマスクをして歩く人々

もっとも、デング熱の場合は冬の間にいったん
完全にリセットされますから

それほど広がることはないのかもしれませんが

いずれにしろ、個人だけでなく、国レベルでの
デング熱対策をしっかりやらないと

毎年のように流行が繰り返されることに
なるのかもしれません。


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posted by 如月実 at 19:13 | TrackBack(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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