2017年04月10日

北朝鮮攻撃が今行われるとすればどのように攻撃が行われるのか



米海軍の空母「カールビンソン」がオース
トラリアに向かう予定を変更し朝鮮海域に
派遣されるなど北朝鮮をめぐる情勢は緊迫
の度を増していますが

北朝鮮への攻撃が行われるとすればどのよ
うな攻撃が行われるのでしょうか

一つの前例として、イラク戦争があげられ
ます

イラク戦争では、開戦劈頭、米軍がイラク
軍の中枢を空爆し

指揮通信中枢を麻痺させ、イラク軍が組織
的反撃を出来ないようにした上で

地上軍が侵攻し一方的な戦闘になりまし
た。

イラク空爆

今回北朝鮮を攻撃するとしても、やはり先
制空爆により北朝鮮の指揮中枢組織を破壊


組織的な反撃が困難な状態にした上で、各
種重要施設の空爆や斬首作戦が行われる物
と考えられます。


米軍が攻撃を躊躇する理由

米軍は戦力からいえば北朝鮮を圧倒してい
ますから、北朝鮮の核兵器や、弾道ミサイ
ルを開発している施設を空爆などにより破
壊するのは容易です。

しかし、米軍には北朝鮮攻撃を躊躇する理
由があります。

米軍にとって1番困るのは、北朝鮮の反撃

・ソウルなどへの砲撃

・ミサイルによる韓国、日本への攻撃
軍事施設ばかりで無く民間人を狙った無差
別攻撃

と考えられます。

弾奏ミサイルの発射

軍事的には一方的に攻撃可能ですが、言わ
ば日韓の民間人や米軍家族などが人質に取
られている状態ですからおいそれとは北朝
鮮を攻撃するわけには行きません

ですから、米軍にとって休戦ライン付近の
砲兵陣地、スカッドやノドンなどの短、中
距離弾道ミサイル基地への攻撃が重要にな
ってきます。


米軍の最重要目標

米軍にとって最重要な目標になるのは

金正恩と核・長距離弾道ミサイル開発施設
になります

金正恩は米国などの説得を聞かないばかり
か中国などの支援国の要請も無視して核兵
器や、米国まで届く長距離弾道ミサイルの
開発を強行しています。

中国は金正恩を亡命させて、コントロール
の効く別の人物
兄の金正男氏やおじの金平一氏などを
政権につかせるのではないかというような
話がまことしやかにささやかれていたこと
からも、金正恩が如何に問題視されている
かが分かると思います。

金正恩

また、米国にとって自国が直接核攻撃され
ることが最大の問題

絶対許容することの出来ない問題でありま
すから、それを可能にする

小型核弾頭とそれを運搬する長距離弾道ミ
サイルの両方を北朝鮮が持つ事は断固拒否
する事項になります。


金正恩については、空爆だとその死亡が確
認出来ないことから特殊部隊を潜入させ殺
害するのではないかといわれています。

ただしこれには事前に金正恩氏の所在を確
実につかんでおく必要があり、なかなか困
難ではないかと思われます。

斬首作戦を行う特殊部隊

弾道ミサイルや核開発施設については空
爆、特に地中深く掘られた地下の施設には
バンカーバスターなどの地中深くの施設を
破壊出来る爆弾などを使って、徹底的に破
壊されるものと考えられるほか

重要な施設には特殊部隊を送り込んで、確
実に破壊することを徹底するかもしれませ



米軍の軍事作戦はどのように始まるのか

米軍はまずは北朝鮮軍が動けないようにし
た上で反撃力を消滅させる必要があること
から

開戦劈頭に目標になるのは

・レーダーサイトや対空ミサイル基地、空
軍基地など、対空兵器、戦闘機や装備を破
壊して北朝鮮が空爆に対して反撃できなく
する

・北朝鮮軍の組織的な反撃を困難にするた
め指揮通信の中枢を破壊して、指揮官など
が下部部隊にスムーズに命令を送れなくし
たり、

前線部隊からの報告が適時に上級司令部に
あがってこないようにするために部隊の司
令部や通信施設を空爆して破壊


これらを破壊するためには最初に使われる
のはステルス戦闘機や爆撃機、あるいは巡
航ミサイルなどが使用されるでしょう
(F−22、F−35戦闘機やB−2爆撃
機)

空爆

砲兵陣地や弾道ミサイル基地の破壊

その次に問題になるのは、米軍の攻撃が始
まれば直ちに北朝鮮軍による

ソウルなどへの砲撃

日韓の主要都市、米軍基地などへの弾道ミ
サイル攻撃です。

北朝鮮軍の攻撃

米国が北朝鮮への攻撃を躊躇する最大の理
由がこの北朝鮮の日韓の都市への反撃です
から

北朝鮮軍の指揮通信機能を破壊するのとほ
ぼ同時にこれらの脅威に対する空爆が行わ
れます。

B−52などの爆撃機や、韓国内の空軍基
地、半島周辺に配置されている米空母(カ
ールビンソン、ロナルド・レーガンの2隻)
から飛び立った戦闘機や爆撃機が参加する
ことになるでしょう。

同時に巡航ミサイル、韓国軍の弾道ミサイ
ルや砲兵陣地からの攻撃も行われるでしょ
う。

北朝鮮の弾道ミサイルは山中のトンネルの
中などに隠されていますからトンネルの入
り口付近を爆破してふさいだり、バンカー
バスターなどにより

地下に隠されている弾道ミサイルや施設な
ども狙われるでしょう

ノドンミサイル

ただし、弾道ミサイルは輸送起立発射機
(transporter erector launcher、TEL)
や輸送車兼用起立式レーダー装備発射機
(transporter erector launcher and
radar、TELAR)などに搭載され

通常は地下トンネルなどに隠されていて、
米軍の空爆の間隙を縫って地上に出され
て、ゲリラ的に弾道ミサイルを発射するた


米軍としては無人偵察機や、偵察機を常時、
これらの基地周辺を飛行させ、発見次第、
爆撃機で攻撃を加える事になります。

弾道ミサイルは、継続されるミサイル基地
への空爆や、発射のために地上に出される
都度空爆を受け、次第に発射機とともに消
耗していきますが

完全にこれを阻止することは困難で有り

一定のミサイルがゲリラ的に韓国や日本の
都市などに向かって発射されることになり
ます。

THAADミサイル
THAAD

これらの弾道ミサイルは韓国に配備された
THAADレーダー、日米のイージス艦、
日本に設置されたXバンドレーダー(青森、
京都)あるいは日米の人口衛星によって探
知され

そのデーターはデーターリンクで日米韓の
それぞれの部隊に送られ

韓国のTHAAD、日米のイージス艦によ
って迎撃が行われます

PAC3は射程が短く、配置されている重
要施設近辺に飛来した弾道ミサイルのみ迎
撃することになります。

注:韓国へのTHAAD配備は現在、急速
に設置工事が行われており、4月末までに
は一部配備が完了する模様


北朝鮮がゲリラ的に発射した弾道ミサイル
の多くはこれらの迎撃ミサイル(BMD)
によって撃ち落とされるでしょうが、

これまで実戦で使われたことはなく、常識
的にも100%撃墜できる保証は無いと思
われますので

北朝鮮が発射した弾道ミサイルの内、何発
かは日本国内に弾着する可能性があり

わずかながらその弾頭に核兵器が搭載され
ている可能性はあり

あるいは、生物化学兵器が搭載されている
可能性はおおいにあります。

北朝鮮の弾道ミサイル


日本を攻撃できる北朝鮮のミサイル

北朝鮮が保有する弾道ミサイルの内、日本
を射程に収めているのはノドンミサイルで
約300発ほど保有しており、

発射機(TEL)は50台程度と見積もられ
ています。

このほかには短射程のスカッドミサイルの
射程を延伸して西日本を射程に収めるスカ
ッドERが数十発程度あるといわれています。

ノドンの射程

スカッドERの射程

米軍の地上からの侵攻はあるのか

米軍にとって地上攻撃は多数の兵士が死傷
する可能性がありますからなるべく地上か
らの侵攻はやりたくないはずです。


しかも北朝鮮攻撃の目的は

・金正恩
・核開発施設
・弾道ミサイル開発施設

を斬首、破壊することが目的ですから

空爆などだけでも目的は達成されます。

また地上からの侵攻によって北朝鮮民間人
の死傷が増えるほか

難民の発生、民間人によるゲリラ活動など
面倒な事になるだけでなく

中国との間の緩衝国が消滅することは米中
とも望まないことから大規模な地上侵攻は
無いと考えた方が妥当です。

ただし、休戦ライン付近の朝鮮軍陣地から
ソウルなどに向けた砲撃などが行われるで
あろう事から

休戦ライン付近の北朝鮮軍陣地付近までの
限定的エリアへの地上軍による侵攻はあり
得ると考えられます。

地上戦の様子

戦闘の期間は

米軍の迅速な空爆で数日乃至は1週間くら
いで主な目標は破壊されると思いますが

地下トンネルに隠した弾道ミサイルなどを
ゲリラ的に発射してくる事も予想されます
から

反撃が終息するまで1ヶ月〜2ヶ月程度を
要するかもしれません


その後、トランプ大統領と習近平主席の間
に何らかの密約のようなものがあったとす
れば

中国軍が介入して、停戦、再び休戦状況が
続くのか、あるいは何らかの和平交渉が進
展するのかというような状態になるかもし
れません


関連記事

北朝鮮の6回目の核実験はいつ、そして米軍の攻撃につながるのでしょうか

米軍による北朝鮮空爆はいつ行われるのでしょうか

北朝鮮が日本を攻撃するとしたらノドンミサイルが主な攻撃手段に

米軍がアフガンで「大規模爆風爆弾」を使用したのは北朝鮮空爆の実験か





ラベル:北朝鮮
posted by 如月実 at 21:21 | TrackBack(0) | 防衛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック