2017年04月11日

化学兵器を使用したシリアへに対する米軍の攻撃は国際法違反なのか




4月7日に地中海の米海軍駆逐艦から59
発の巡航ミサイルが発射され


シリア反政府勢力地域に化学兵器による攻
撃を行ったとされるシリア軍空軍基地が攻
撃されました。

この米軍のシリア空軍基地への攻撃に対し
てロシアは国際法違反だと批難を行ってい
ます。

この米軍の攻撃は国際法上の正当性はある
のでしょうか

米国NSCがシリア攻撃を決断した会議


国際世論

いたいけな子供を含む民間人に対して、戦
時国際法に違反する化学兵器による攻撃を
行ったシリアに対して

人道的な面から米国のシリア攻撃を支持す
る国は多いようです。

日本を始めイギリス、フランスは支持を表
明しています。


一方、ボリビアなどは「安保理が化学兵器
の使用について公正な調査を求め、議論し
ていた最中に、証拠のないまま、武力行使
を行った」と批判しました。

また、スウェーデンのように「攻撃は国際
法に基づいて行われることが重要だ。今回
のミサイル攻撃は国際法との整合性に疑問
が残る」と、攻撃の正当性に疑問を呈して
いる国もあります。

米国のシリア攻撃について議論する国連安全保障会議


米国のシリア攻撃は国際法上認められるのか

現在の国際法上(国連憲章)によれば武力
の行使が認められるのは4つの場合があり
ます。

・自衛権を発動して自国を防衛する場合

・集団安全保障により同盟国を防衛する場合

・国連の決議により攻撃を行う場合

・日独伊などの国連のかっての敵国が侵略
を行おうとしている場合にこれらの国を予
防的に攻撃すること

注:日本では国際連合と呼んでいますが、
英語での名前は「United Nations」
直訳すれば連合国であり中国語でも联合
国、聯合國などと訳されています。


今回攻撃されたシリア反政府軍(支配地域
に住む住民)とシリア政府軍は同じ国内で
国内紛争を行っているということになりま
す。

シリア反政府軍は国際的には国家として認
められていませんし

国内紛争に外国が介入することは内政干渉
にあたり、国際法上は許されていません。

また、米国は反政府勢力を支援していたと
は言え、公然とシリア軍と敵対していたわ
けでもありません

ですから、今回の米国のシリア攻撃には国
際法上の疑義があると言えるでしょう。

爆撃


米軍の攻撃は復仇にはあたらないのか

国際法の概念として「復仇」というものが
あります。

敵国が国際法に違反する違法なことを行っ
た場合

その違法行為を超えない程度にこちらも違
法なことをすることが国際法上許されると
いう概念

今回でいえば、シリアが国際法で禁止して
いる化学兵器を使用したのだから

復仇として米国の国際法に反する攻撃が許
されるのかというと

米国は化学兵器による攻撃を受けた当事者
ではありませんから

この復仇を拡大解釈して米軍の攻撃を正当
化することも難しいと考えられます。

トランプ大統領


まとめ

世界の警察官として、違法かつ人道にもと
るシリアの化学兵器使用に対して、断固た
る措置を執った米国に拍手喝采を送りたい
ところではありますが

厳密な国際法の解釈からいうと、違法な攻
撃である可能性が高いと考えられます。

もっとも有史以来、大国が取った行動は結
果的に合法化されるという国際法の歴史が
ありますから

今回の米国の行動を直ちに合法化するとい
うことにはならないでしょうが

過去の前例として、このようなことが今後
も行われていく可能性はあります。


関連記事

米軍による北朝鮮空爆はいつ行われるのでしょうか

北朝鮮が日本を攻撃するとしたらノドンミサイルが主な攻撃手段に

米オバマ大統領はシリア攻撃を決断できるのか
(2013.9の記事)

米軍がアフガンで「大規模爆風爆弾」を使用したのは北朝鮮空爆の実験か



posted by 如月実 at 11:29 | TrackBack(0) | 国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/448916585

この記事へのトラックバック