2017年04月28日

日本の弾道ミサイル防御(BMD)にTHAADは必要なのでしょうか



米太平洋軍のハリス司令官が4月27日の
米議会公聴会で

「日本もTHAADを導入するべきだ」と
述べています。

ハリス米太平洋軍司令官


日本の弾道ミサイル防御にTHAADは必
要なのでしょうか。

国会論戦で、野党議員の
「弾道ミサイル攻撃を防御できるのか」
という質問に

稲田防衛大臣は
「可能」と答えています。

この議論のレベルの低さはさておいて

日本の弾道ミサイル防衛は、海自イージス
艦搭載のSM−3と空自パトリオットミサ
イル(PAC−3)の二段構えで対処する
とされています。


イージス艦による弾道ミサイル防衛(BMD)

まず第1段目のイージス艦搭載のSM−3

射程は約500kmといわれ

日本海に3隻の弾道ミサイル防衛(BMD)
対応型イージス艦をならべれば、日本全土
をほぼカバーできるようです。

イージス艦(BMD)SM−3迎撃ミサイルの射程距離の範囲

ただし、イージス艦1隻に搭載されている
SM−3ミサイルは8発

迎撃時には、万全を期して、1発の弾道ミ
サイルに対して2発のSM−3迎撃ミサイ
ルを発射されるとしていますから

1艦で迎撃できるのは4発の弾道ミサイル
までです。

海上自衛隊にはBMD対応可能なイージス
艦が4隻しかありません

今後、カールビンソンとの共同訓練で有名
になった「あしがら」など2隻にもBMD
対処能力が付加される改修が行われること
になっています。

BMD改修予定の海自イージス艦あしがら

また有事には、在日米軍の5隻(今後増強
予定)のBMD対応可能イージス艦も日本
海などに展開することが予想されますが

必ずしも100%迎撃できるとも限りませ
んし

先般の北朝鮮の4発の弾道ミサイル同時発
射以来、多数の弾道ミサイルによる同時攻
撃が問題となっており

多数の弾道ミサイルによる飽和攻撃が行わ
れた場合にイージス艦だけで対応できる保
証はありません。

北朝鮮による弾道ミサイル4発同時発射


PAC−3による弾道ミサイル防御

イージス艦による迎撃をかいくぐって日本
に飛来した弾道ミサイルはPAC−3で迎
撃することになっています。

所が、PAC−3の射程距離は約20km

イメージで示すと下図のようになります。

空自パトリオットミサイルPAC3の射程距離

えーたったこんだけ

と思われる人も多いかと思います。

日本全土をカバーするためには数百機のP
AC−3を配備する必要があり、とても現
実的ではありません。

PAC−3はあくまで、自衛隊基地や国会
周辺などの拠点防御しか出来ません

日本国民にとって、弾道ミサイルからの防
御はイージス艦だけに頼っていると言って
も過言ではありません

THAAD
THAAD


THAADを日本に配備するとどうなるか

THAADの射程距離はPAC−3の10
倍、約200kmあり

THAADの射程距離でカバーされるエリ
アのイメージを示すと下図のようになりま
す。

THAADを日本に配備した場合のカバーエリア

THAADを4〜6箇所に設置すれば、ほ
ぼ日本全土がカバーできることとなりま
す。

ただしTHAADの導入には数千億円の費
用がかかることが見積もられ、日本の防衛
予算を圧迫することは確実といえます。

ただしそれによって弾道ミサイル攻撃によ
る数千人から数万人の死傷者が助かる可能
性があり

あるいは北朝鮮が核ミサイルで攻撃してく
る可能性まで考えると

背に腹は変えられないのか

まさかそんなことは起きないだろうと腹を
くくるのか

今後の進展が注目されます。


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posted by 如月実 at 20:34 | TrackBack(0) | 防衛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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