2016年11月02日

空自の新鋭機F−3は開発されるのでしょうか、実戦配備はいつ



航空自衛隊が保有するF−2戦闘機の後継機
となるF−3戦闘機開発を目指して企業選定
が始まっています。

戦闘機の開発費用は、性能の高度化と共に、
莫大な費用がかかっており

一国でこれを負担することは困難となってい
て、数カ国で共同開発することも多くなって
います。

航空自衛隊F−35戦闘機
F−35

F−3についても、航空自衛隊だけだと調達
機数が100規定度にしかなりませんので

1機当たりの開発費用が高騰し、航空自衛隊
の調達にも支障が出てくることから

外国企業との共同開発も視野に入れ、開発が
行われることになりそうです。

F−3にはボーイングやロッキード、あるい
は欧州のメーカーも興味を示しており、今後
参加企業の検討が行われることになり

2018年度に次期国産ステルス戦闘機F−3
を独自開発するか、それとも他国との共同開
発にするかが決定されます。

2018年度というのは、現在開発中の第5世代
戦闘機用エンジン「HSE:ハイパワー・ス
リム・エンジン」の開発目標年度にあたり

新規エンジン開発の目処が立つか立たないか
も、共同開発にどの外国企業が参加するかと
いうことも影響してくることになります。

ステルス実験機


戦闘機用エンジンHSEとは

HSEの推力は15tを目指していて、F−
3に2基搭載されれば合計の推力は30tと
なります。
(F−16のエンジンは1基13t)

これは米軍のステルス戦闘機F−22のエン
ジン「F119−PW−100」とほぼ同等
の性能で

HSEを搭載したF−3はアフターバーナー
無しで超音速巡航飛行が可能になります。


HSEは先進技術実証機に搭載された推力5
tのXF5を基にIHIと防衛省技術研究本
部が開発を行っているもので

日本が戦闘機用のジェットエンジンを開発す
るのは初めてになります。

F−2開発の時には、日本に独自のジェット
エンジンを開発する能力が無く、米国から供
給がなければ戦闘機を開発できなかったこと
から

F−16の改造にせざるを得なくなったとい
う経緯もあります。

航空自衛隊F−15


F−3の今後の計画

次期ステルス戦闘機F−3が2018年度に開
発が決定され、順調に開発が進めば10年後
の2028年に量産が開始され、2030年には部
隊配備されることになります。

2018 F−3開発開始
2025 初飛行
2028 量産開始
2030 部隊配備
(となればめでたしめでたし)


F−3が完成すれば、F−22よりもステル
ス性能が高くなるものと予想されます。

これは飛行制御ソフト、レーダー吸収材、シ
ームレスな外板加工、炭素繊維による複合主
翼がF−22開発段階よりも更に進歩してい
るからです。

米空軍F−22
F−22

アメリカも今後F−22の後継となる第6世
代の戦闘機を開発することが予想され、完成
すればF−3よりも高性能になると考えられ
ますが、

この戦闘機が完成するまでの数年間はF−3
が世界最高性能の戦闘機になることも十分予
想されます。


RCS(レーダー有効反射面積)

ステルス戦闘機のステルスとはレーダーに写
りにくい性能をいいます。

レーダーに写る面積(RCS)が小さいほど、
敵のレーダーに写りにくくなるわけですが、
このRCSを歴代の戦闘機と比較すると

F−15 25u
Su−27 15u
F−16  1u
F−35 0.005u
F−22 0.0001u
X2(ATDX)
     0.000002〜
     0.000004u

ということで、長さ20mくらいある戦闘機
でも、レーダーに写る大きさは、小さな風船
が飛んでいるレベルになります。

空に浮かぶ小さな風船

そうなると、もう、ほとんどレーダーで探知
されることはなく、一方的な戦闘になるかと
いえば

そうは問屋が卸さず、敵もステルス戦闘機を
開発してくることが考えられ

結局、第二次大戦初期のように目視で敵を発
見して、ドックファイトで戦う様な時代が来
るのかもしれません。

ゼロ戦

かっては世界に冠たるゼロ戦を作った日本

戦後航空機産業を解体させられ、長らく開発
を禁止されていた日本ですが、

F−3でようやく世界レベルの戦闘機を自主
開発させられるところまできたということは
感慨深いものがあります。


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2016年10月18日

海自P−1哨戒機ニュージーランドで多国間共同訓練に参加



海自P−1哨戒機、2機が11月中旬に、ニ
ュージーランドで行われる多国間共同訓練に
参加します。

P−1は昨年7月に、イギリスで行われた、
ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥ
−(RIAT)に参加後、日本への帰国途中、
アフリカのジプチ基地に立ち寄り、運用試験
などを行っていますが

海外での訓練に参加するのは今回が初めてで
す。

海自P−1哨戒機

イギリスに派遣された時は、イギリス空軍が
哨戒機の機種選定を行っている最中でしたの
で、P−1のイギリス輸出などが取りざたさ
れました。

民間機を改造したP−8に比べて、専用機と
して開発されたP−1の方が、哨戒機単体と
しての性能は優れているとはいうものの

結局、世界中に展開している、これまでの関
係の深かった米海軍のP−8採用に落ち着き
ました。


P−1をめぐっては、今年6月にシンガポー
ルで行われたアジア安全保障会議の期間中、
ニュージーランドの国防相が中谷元・前防衛
相との会談で関心を示しており

P−1の輸出も視野に、P−1の性能をアピ
ールする目的もあると考えられます。


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2016年10月03日

ノーベル生理学・医学賞候補で注目されている本城祐教授が開発したオプジーボとは



今年もノーベル賞の発表の時期がやってきま
した。

昨年に引き続き、日本人のノーベル賞が期待
されており、その中でも本城祐教授が有力候
補として期待されていますが

本城祐教授の開発したオプジーボとは何なの
でしょう


オプジーボはガン治療の特効薬?

ガン治療にはこれまで

手術、放射線療法、化学療法の3つが3本柱
と考えられてきました

筋炎研究が進みガン治療の4本目の柱となり
そうなのがオプジーボなどのガン免疫療法で
す。

本庶祐教授が開発したオプジーボは、抗PD-1
抗体と呼ばれ、ガン細胞の攻撃による本人の
免疫力低下を防ぐ効果を持っています。

私たちの身体の中では、免疫細胞が働いてい
て、がん細胞が出来てきても、T細胞という
免疫細胞ががん細胞を攻撃し排除します。

ところがガン細胞もさるもの、自分が攻撃さ
れないようにPD-L1という物質を作り出し

このPD-L1ががん細胞を攻撃するT細胞の
PD-1受容体と結合すると、T細胞はがん細
胞への攻撃を行わなくなってしまいます。

T細胞の免疫機能を妨害するガン細胞

T細胞へのガン細胞からの攻撃を防ぐオプジーボ

オプジーボはT細胞と結合しPD-L1がT細胞
のPD-1受容体とくっつくのを邪魔すること
でがん細胞への免疫機能が低下しないように
働きます。

オプジーボは2014年に悪性黒色腫(メラ
ノーマ:皮膚ガン)の新薬として承認され

昨年12月には肺ガンの新薬としても承認さ
れ、公的医療保険が適用されています。

副作用が少なく、劇的な効果がある人がいる
一方、全く効果が見られない場合もあります。


欧米で行われた治験では、化学療法が効かず
再発した扁平上皮ガンの患者に

標準的に使われる抗がん剤とオブジーボを分
けて投与した結果

標準的抗がん剤では1年後の生存率が24%
しかなかったのに対して、オブジーボでは4
2%の生存率を記録しています。

しかも、副作用が出た人も3割以上少なく

この時に行われた治験では、異例とも言える
途中での治験中止という結果になりました。

注:効果があまりにも明確なので最後まで治
験を行う必要が無いとされた


ただし、画期的効果が期待できるオブジーボ
ですが、

リウマチなどの自己免疫疾患の人や、高齢者
など元々、免疫力が弱い人には効果が期待で
きず

また効果を期待して投与された人でも、ガン
が縮小した割合は2割に留まっています。

またオブジーボは薬価が高く、1ヶ月の投与
で薬290万円がかかるため財務省が厚生労
働省に薬価の引き下げを求めているという報
道もありました。

いずれにしろ、これまでにない画期的な免疫
療法というガン治療に道を開いた、ノーベル
賞に値する薬だと言えるでしょう。


放射性物質の動きを予測するCTBTO新システムが日本の支援で始動



posted by 如月実 at 18:34 | TrackBack(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空自、英空軍との初の戦闘機による共同訓練、北朝鮮空爆が現実に?



初の戦闘機による日英空軍共同訓練

防衛省が9月16日発表したところでは、航
空自衛隊と英空軍の初の戦闘機による訓練を
10月中旬〜11月上旬にかけて、

青森県の空自三沢基地や周辺の空域で実施さ
れる予定です。

日英両政府は2016年1月の外務・防衛閣
僚協議(2+2)で英空軍の戦闘機を日本に
派遣することを合意している事をうけたもの
です。

イギリス空軍のユーロファイター「タイフーン」

共同訓練では英空軍側からはユーロファイタ
ー「タイフーン」を日本に派遣

三沢基地を中心として、周辺の空域などで空
中戦、補給支援、指揮統制などを訓練する模
様です。

英空軍からの参加兵力は

ユーロファイター 4機
輸送機      3機
給油機      2機
など、隊員150〜200名

この時期、共同訓練に会わせて英国からはフ
ァロン国防相が来日し、北東アジア情勢など
について意見交換する予定

また、英空軍の部隊は、航空自衛隊との共同
訓練の後、韓国軍とも共同訓練を行う予定

北朝鮮のノドンミサイル
ノドンミサイル

日英共同訓練の目的は北朝鮮空爆が視野に?

今回の訓練は、もともと今年の初めに、話が
出たものですから、直ちに北朝鮮空爆と結び
つけるのは難しいのかもしれませんが

日英共同訓練については、法的根拠が問題と
なっています。

普段米軍との共同訓練が盛んに行われてお
り、さらに最近ではオーストラリア軍との共
同訓練

海自P−3C

あるいは東南アジア諸国への海自航空機や艦
艇の寄港

ジプチへのP−3Cの展開や、各種PKOな
どへの参加で、自衛隊の活躍の場や、共同す
る相手国なども広がっていますが

実は、日本国内での米軍以外の国の軍隊との
共同訓練は許されていないという見解を政府
は示してきました。
(1971年福田外相国会答弁)

朝鮮戦争休戦協定が発効した後の1954年
に日本が国連軍と締結した国連地位協定で、
横須賀や横田など7カ所の米軍基地に限定し
て英国軍の使用を許可されているものの

今回の訓練で使用する三沢はこの7カ所の基
地には含まれていません

ということで、一部には今回の訓練に関して、
説明責任を追及する声も上がっています。

となると、なぜこの時期に、法的根拠が曖昧
な共同訓練を、突然実施するのかという疑問
が出てきます。

空爆されている状況

米軍の北朝鮮への先制攻撃が現実に?

中央日報は9月20日の記事で
「中国が北朝鮮の核施設を狙った米国の軍事
作戦を黙認する方針を決めた」
という報道がなされています。

また、先日安倍首相が出席した国連総会でも
「中国の李克強首相がケリー米国務長官との
話し合いで条件付きで北朝鮮への先制攻撃を
容認した」
という未確認情報が流れています。

さらに、米韓両軍は10月3日〜21日の間
にアラスカで、核施設への攻撃を想定した空
軍を主体とした共同訓練を行う予定の他

10月10日〜15日の間には空母「ロナル
ド・レーガン」が参加する米韓合同演習が黄
海などで実施されます。

米空母

8月22日から9月2日まで大規模な米韓合
同軍事演習が行われたばかりですし

つい最近の9月26日 にも北朝鮮沿岸に近
い朝鮮半島東側で対潜訓練を実施していま
す。

その他にも米政府高官の発言などで、北朝鮮
攻撃を示唆するものが多数出てきています。

朝鮮半島をめぐる米韓軍の動きはかなり活発
になってきており、来る実戦に備えていると
みられてもおかしくない状況です。

国連旗と関係国の国旗

英空軍も北朝鮮攻撃に参加するのか

朝鮮半島では現在でも国連軍と北朝鮮は戦争
状態のままです(休戦中)

米国が、北朝鮮の核開発やミサイル実験を休
戦協定違反とする

あるいは、北朝鮮が発射した弾道ミサイルを
迎撃、撃墜するなどの対抗措置をきっかけに
休戦状態を破棄して先制攻撃を仕掛けるとい
うシナリオも考えられなくはありません

その時には、米国単独よりも、国連軍として
行動した方が、国際的な説明がしやすく

これに参加する可能性がある国として英国が
考えられます。

元?国連軍でも有り、米国と強固な同盟関係
に有り、中東などでの軍事行動にも参加して
いますから

米国の北朝鮮先制攻撃に共に参加することは
充分可能性があります。

航空自衛隊F-15
航空自衛隊HPから引用

となると、今回の日英共同訓練

いささか唐突なような感じもしていましたが

近い将来、北朝鮮への先制攻撃があるとすれ


朝鮮半島の戦場にごく近い後背地である日
本、そしてその防空を担当する航空自衛隊と、
事前に共同訓練しておく意味は充分ある

というよりは

交戦中に英国や北朝鮮空軍の戦闘機が日本の
領域に接近したり

あるいはもしかして、日本の基地から出撃?

などという状態が、もしかして生起するのか
どうか不明ですが

英国空軍が航空自衛隊との共同要領になれて
おく必要は充分ありそうです。


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ラベル:北朝鮮
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2015年11月03日

そうりゅう8番艦のせきりゅうが進水



そうりゅうの8番艦せきりゅうが
2015年11月2日に川崎重工神戸工場で進水しました。



海上自衛隊は艦船名をひらがなで表記して
いますが

せきりゅうの由来を調べて見ると

赤竜(せきりゅう)
日本や中国などの親和に出てくる竜の名称で
紅竜とも呼ばれる

全身の鱗が赤く、太陽、あるいは火山から
生まれたと言われていて

口からは火炎を吐き出すと言われる。



なお、
せきりゅうはAIP搭載そうりゅう型として
最後の潜水艦となります。


そうりゅう型はスターリング発電機による
非大気依存推進(AIP)システムが導入
されていますが

2つの異なるシステム
通常のディーゼルエンジン

スターリングエンジン

を搭載しており
2種類の燃料を搭載する必要があり、

スターリングエンジンの出力が小さく
単独でさほど高速を出せないこと

スターリングエンジンなどによりスペースを
取られ、狭い潜水艦の空間がさらに圧迫され
ること

2種類のエンジンを整備する必要があること

2種類のエンジン(燃料)を使うことから
運用が複雑になること

などから、潜水艦の運用者からは使いづらい
という声もあり

次の9番艦からはスターリングエンジンを
廃し

バッテリーをこれまでの鉛蓄電池では無く
新開発のリチウムイオン蓄電池を搭載した
タイプに更新される予定です。

せきりゅう

具体的な数値は軍事機密のため不明ですが
リチウムイオン電池になることにより

充電能力(充電量、充電時間)が格段に
向上することが見込まれ

これまでのAIP搭載のそうりゅう型よりも
潜航能力(速力、潜航時間)などが向上します。


オーストラリアへの輸出も検討されている
そうりゅう型潜水艦ですが

オーストラリアもこのリチウム電池搭載
タイプのそうりゅう型潜水艦を希望している
といわれています。


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2015年07月16日

東京オリンピックのボランティアの制服は本当にダサいの



2015年6月1日東京オリンピックで
頑張ってもらうボランティアの制服が
ダサいと

ネットでは非難の嵐です。

本当にダサいのでしょうか

東京オリンピックのボランティアの制服を着た男女

ボランティアの制服ですから遠目から
見ても、はっきり分かる必要があります。

あんまりかっこよすぎて、ボランティア
で無い人がまねしても困るし

ファッション的なセンスより

分かりやすい方が良いと思うのですが・・

東京オリンピックのボランティアの制服を着た男女と桝添知事

とは言うものの、非難ごうごうでは

ボランティアの人の士気も上がらないでしょうね。

かっこ悪い制服だと、ボランティアが集まり
にくいなんて事になったりするかも(^^;)

まあ、外国から来た人がボランティアだと
一目で分かって

親しみやすいスタイル

それから、ボランティアには

おじさんやおばさん、太めや細めの方も
いらっしゃいますし

しかも私服の上に着るというイメージなんで

東京オリンピックのボランティアの制服を着ている人々

パビリオンのコンパニオンなどの制服とかと
同一視するのもおかしいような気がします。


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イギリスで行われるエアーショー「RIAT」で海自P−1が世界の度肝を抜くのか



イギリスへの輸出を目論んでいる海自P−1
が世界最大のエアーショー「RIAT」に
参加します。


RIAT
(Royal International Air Tattoo)

イギリスのフェアフォード空軍基地で開催
される世界最大の軍用機の祭典

今年(2015年)は7月17日(金)〜
7月19日(日)まで開催

RIATのサイト

このRIATに海自からP−1(2機)が
参加

スケジュール
7月10日(金)厚木出発
7月17日(金)〜7月19日(日)
 エアーショー参加
7月21(火)〜7月22日(水)
ジプチで運用試験
7月25日(土)厚木帰投


イギリスで行われるRIATは軍用機の
エアショーとしては世界最大で

軍用機ファンにはたまらない祭典です。

毎年7月に開催され、東側の軍用機も含め
200機以上の航空機が展示や飛行を行い
ます。


RIATでは各国の軍用機がけっこう過激な
マヌーバーを見せてくれるらしいです。

で、気になるのが海自P−1のRIAT
での飛行展示

低空を飛行する海自P−1

海自基地の航空祭で、P−3Cの過激な
マヌーバー

4発の大型機がこんな超低空で、急旋回とか
していいんかい

なんて度肝を抜かれた人もいるかと思い
ますが


今度派遣されたP−1はどんなマヌーバーを
披露してくれるのでしょうか

まさか、ただのローパスだけということは
無いと思いますが

ウイングをちょっと振っただけ程度という
のもインパクトに欠けますし

ボンベイを開けたまま

50フィート、60度バンクで360度
旋回

みたいな過激なのは

無理かな(^_^)v

注:P−1の飛行展示は
7月18日(土)と19日(日)


米海軍のP−8と一騎打ちと行きたいですが
民間機母体のP−8はさすがに地上展示だけ
のようです。


米海軍P−8
米海軍P−8


RIATで海自P−1がイギリス海軍の
度肝を抜けば

P−8をやめて、P−1を輸入しよう
なんて話になるかもしれませんし(^_^)v

今後のP−1輸出に、強烈なアピールに
なるのではないでしょうか

海自P−1の飛行展示の様子をニュース
とかで放送されると良いのですがね

楽しみなところです。


なお、

日本に帰投時は、ジプチによって砂漠地帯
での運用試験を実施する予定です。

機体そのものの運用試験もさることながら

今後ジプチへの派遣が長期化して

P−3Cに代わってP−1が海自哨戒機の
主力になれば

P−1がジプチに派遣されるようになるので
しょうから

今から、ジプチでP−1を運用する際の
問題点などを洗い出すのも1つの目的なの
かもしれません


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米海軍洋上哨戒機P-8(ポセイドン)




posted by 如月実 at 18:40 | TrackBack(0) | 防衛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月15日

米海軍洋上哨戒機P-8ポセイドン


米海軍は1961年以来P−3を使用して
きましたが

さすがに運用期間が50年を超え、機体の
設計自体が古すぎるため

後継機の研究を始め

1989年にロッキードとP−7の開発
契約を結びました。

しかし開発計画が遅れた上に、予算を大幅に
超過してしまったことから

1990年7月にこの計画は中止され

その後航空各社の提出した、提案の中から
2004年にボーイング社の提案した

ボーイング737−800ERX旅客機の
改修型である737MMAが

P−8Aとして採用されることになりました。

米海軍P−8

民間機の転用ということで

エンジンはCFM56−7Bターボファン
エンジンが2基

民間機用のエンジンで塩害対策が無いことや
飛行性能の関係で低高度での運用はできず

無人機(MQ−4Cトライトン)と連携して
運用する計画です。
(トライトンは2017年から運用開始)

米海軍が開発中の無人偵察機MQ−4Cトライトン

米海軍が開発中の無人偵察機MQ−4Cトライトンの内部説明図

巡航速力は440ノット(時速815km)

ソノブイ搭載量はP−3Cの84本に対して
120本を搭載可能

全て機内からの発射が可能となっています


捜索用レーダーはAN/APY−10で
P−3Cの最新型に搭載されている
AN/APS−137(海自P−3Cにも
搭載)の改良発展型です。


搭乗員は
パイロット3名
タコー(戦術航空士)2名
SS−1/2(センサーワンツー)2名
(音響センサー担当)
SS−3/4(センサースリフォー)2名
(非音響センサー担当)
EWO(電子戦オペレーター)2名
の合計9名

米海軍P−8の内部説明図

P−8の内部

米海軍でのP−8配備予定数は108機

2015年7月から本格的に量産機の
受領を開始するので

今後急速にP−8の配備が加速されると
思われます。

その他P−8計画に参加しているのは
オーストラリア
イタリア
カナダ

などで

2013年5月からインドへも輸出されていて
(P−8I)

インド海軍では最終的に24機を購入予定

インド海軍のP−8I

また

米国防総省では、日本を除く現在P−3C
を使用している15カ国での採用を見込んで
います。


米海軍では

2012年からフロリダ州にあるジャクソン
ビル海軍航空基地でP−3Cからの機首転換
に入り

米海軍のP−8とP−3C

2013年12月には沖縄の嘉手納に配備され

現在東シナ海などでの監視にあたっています。

現在、米海軍が保有しているP−8部隊
(2015.7)

VP−5 ジャクソンビル
VP−8 ジャクソンビル(転換中)
VP−16ジャクソンビル
VP−30ジャクソンビル(転換中)
VP−45ジャクソンビル

2013年12月に嘉手納に展開されたのは
VP−16のP−8

その後は適宜、定期的に他の部隊と交代
していると思われます。

米海軍P−8の説明

戦術などについて

高高度から魚雷などをどのように投下して
潜水艦を攻撃するのかと思ったら

なんと、滑空装置を取り付けて、攻撃
ポイントに誘導するとのこと


レイセオンのFish Hawkキット
レイセオンのFish Hawkキット

魚雷を投下したあと、10海里以内なら

「あ、やっぱりやめた別の潜水艦を攻撃しよう」

攻撃目標を変更しているところを説明している図

なんてことも可能らしい(^_^)v

P−3CやP−1のように潜水艦の真上
まで行って魚雷を投下しなくてもよいという
ことは

やはりP−8の方が画期的なのでしょうか・・・


低高度に降りられないのを逆手にとって

Mark54魚雷に羽根をつけて

HAAWC(High-Altitude Anti-Submarine Warfare
Weapons Concept)ということらしいです
(高高度対潜武器機能?)

HAAWCを装着したMark54魚雷

魚雷も空を飛ぶ時代ということでしょうかね



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海自P−1のエンジンF7とよくある誤解


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海自P−1に搭載されているF7エンジンとよくある誤解


F7エンジン全般

海自の最新鋭哨戒機P−1に搭載されている
F7エンジンとはどういうものなのでしょうか

F7はIHI(昔の石川播磨重工)が開発
したエンジンで

F7は最初からP−1のエンジンとして
開発が進められました。

これはP−1のエンジンとして他に適切な
ものが無かったためとされています。

海自哨戒機P−1<div></div>

1998年から研究が開始され

2010年に量産型の設計が完了し量産が
開始されています。

2013年5月、P−1の試験中

急降下時、4つのエンジンが全部止まると
いうトラブルに見舞われましたが

まもなくエンジンの燃料噴射制御ソフトの
不具合と分かり、改修されP−1の飛行が
再開されています。

特徴としては

離陸時推力 6.1t/13,500lbs
(1基あたり)

一般的な中型旅客機用エンジンと同程度

省燃費で、基地問題となる騒音も低く抑え
られています。

超低空を飛行する海自P−1

また、P−1は数十メートルという超低空の
海面ぎりぎりを飛行することから

塩害やバードストライクの被害を極限する
ために

チタン、ニッケル、アルミニウム合金が
使われており

エンジンの内側には騒音を減衰するパネル
も使われています。

注:P−3のエンジンT56よりも
5〜10db低いとされています。

P−1のF7エンジン内側
海自P−1のF7エンジンの内側


P−1のF7エンジン内側の吸音パネル

P−1のF7エンジン内側の吸音パネル

ところで

P−1のエンジンについては一部、誤った
解釈や、風評が出回っているようです。


「エンジンが4発な理由」

P−1はもともとの要求性能が4発エンジン
ということで開発されています。

そもそこれは搭乗員の要望であり

P−1の特殊な飛行形態から、ある意味
当然の要求でもあります。

P−1の開発が始まった当時、北朝鮮の
工作船が話題になっていました。

北朝鮮工作船に積まれていた武器

工作船には携SAMの他にロケット弾や
対空機関砲が装備されていました。

赤外線ホーミング方式の携SAMは、熱を
放出しているどれか1つのエンジンめがけて
飛んできますから

爆発力や、P−1の機体形状を考えると

よほど当たり所が悪くない限り、飛行を継続
できる可能性は大きいです。


ロケット弾や対空機関砲の場合も当たり所に
よりますが

残ったエンジンが1つなのと3つなのと
どちらが安心(安全)かということです。


それからP−1は海面上数十メートルの
低空を長時間飛行することもあります。

そんな時にエンジン1発が突然停止したら
どうなるか

飛行機の高度計

高度1万メートルほどの高空を飛行する
民間機なら数十メートル高度が低下しても
なんの問題にもなりませんが

超低空でエンジンが止まったときに、急いで
正常なエンジンのスロットルを全開にしても

燃料がエンジン内に噴射されて、出力が
上がるまでには数秒のタイムラグがあります。

海自哨戒機P−1のコックピット

その間にどの程度高度が低下するか

2発なら50%の出力の低下

4発なら1発のエンジンが止まっても
出力の低下は25%です。

どちらが安心(安全)かということになります。


現在海自の主力哨戒機のP−3Cの前の
主力哨戒機P−2J

2発のプロペラエンジンの外側にさらに
各1基の補助用ジェットエンジンが付いて
いました。

離着陸以外の高空を飛行するときには
このジェットエンジンを停止していましたが

潜水艦を追跡するときなどで、低空に降りる
ときはこの補助ジェットエンジンを起動して

緊急時に備えていたと言います。

海自哨戒機P−2J
海自P−2J


あるいは、現在主力のP−3Cも、現場で
飛行する際には1、2発のエンジンを止めて
燃費の節約していますが、

超低空に降りる場合には、やはり全部の
エンジンを再始動し

4発の状態で飛行するそうです。

ということでP−1は最初から要求性能が
4発エンジンなのです。


この件についてはかって、防衛庁長官だった
石破さんが

信頼性の高い外国製のエンジンの方が故障
する可能性は少ないし、整備性や経済面
からも上ではないかともめた

という話が伝わっていますが、このあたりの
説明がうまくなされていなかったのでは
ないかと思います。


「国内産業育成のために国産エンジンにした」

そういう意図がなかったとは言えませんが

現実的に、海上哨戒機に適切なジェット
エンジンが無かったというのが実際の所だと
思います。

まず、戦闘機用の大出力ジェットエンジン
では出力が大きすぎる上に燃費が悪く

洋上を長時間飛行するという哨戒機用の
エンジンにはなり得ません


となると、民間機用のジェットエンジンですが

民間機は、離着陸を除けば1万メートル
ほどの高空を、一定の経済速力で飛行する
ために特化したエンジンを搭載しています。

ですから、P−1のように哨戒海域への
進出時には高空を高速で、

哨戒海域では低高度を低速で飛行するなんて
ことは民間機用のエンジンでは考慮外です。

そして一番問題になるのが超低空を飛行する
際の塩害


海自P−3Cが基地に着陸したあと機体とエンジンを水洗しているところ
基地に着陸後エンジンや機体を水洗するP−3C


これって結構大問題で

お隣の韓国の揚陸艦「独島:ドクト」

満載18,800tの空母型の大型艦で
就役以来10年近くになるのにまともに
運用されていない、いわく付きの軍艦ですが

韓国海軍に塩害対策を施したヘリがないために

いまだにヘリが搭載されていません

韓国の揚陸艦独島


ちょっと話がそれてしまいましたが

海上を低空飛行する、飛行機にとって塩の
問題は結構大きいようです。

ちなみに民間機を流用した米海軍のP−8は
エンジンが2発ということもあって

結局低空には降りない運用方法で使われて
いると言うことです。
(無人機と併用する予定)

米海軍哨戒機P−8
米海軍P−8


でもって、ジェットエンジンを使用した
新鋭の洋上哨戒機を開発しているのは

ロシアや中国を別にすれば日米だけ

しかも米国でさえ民間機用のエンジンを
そのまま使っていて、低空には降りれない
のですから

外国製で、洋上哨戒機用の適当なエンジンを
探しても

そもそもあるわけが無いですね。(^_^)v


「2発で飛べる大出力の推進力を持った
エンジンを国産できる能力が無かった」

太平洋戦争中、工業力の低かった日本は、
米国に比べ低い出力の戦闘機用エンジン
しか作れず

戦争初期を除き、速力などの性能や

頑丈な機体や防弾板などでも劣勢を余儀
なくされた記憶や

ゼロ戦
ゼロ戦


戦後長らく航空機の製造を禁止されたこと
などから

日本は、航空機用の高性能なジェット
エンジンは作れない

というようなイメージがすり込まれている
ようですが


自動車や船舶用のエンジンなどをみても
日本の工業力は世界でも有数であるのは
間違いなく

要求があればそれなりのエンジンが作れない
ということは無いと思います。

P−1のF7エンジン
P−1のF7エンジン


大出力エンジンが作れなかったのかどうかは
別として

そもそも、P−1は4発が前提ですし

燃費と、低空飛行性能に優れたエンジン
という要求性能ですから

現状のF7エンジンで全く問題ないというか

もし外国が洋上哨戒機を開発しようとすれば
F7エンジンは、強力な選択候補に上がる
のではないでしょうか


「現場に到着したら1〜2発エンジンを
止めて飛行する(燃費向上)」

P−1用のF7エンジンは、エンジンを
停止してもファンが回って抵抗が増えること

空中で再起動できないリスクを考え

哨戒海域でエンジンを止めるという運用は
しないということです。



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posted by 如月実 at 13:48 | TrackBack(0) | 防衛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月24日

海自3空にいよいよ哨戒機P−1実戦配備(P−1あれこれ)



海上自衛隊の哨戒機P−1もいよいよ厚木の
第3航空隊に実戦配備されますが

海自哨戒機P−1にまつわるあれこれについて
解説してみたいと思います。

現在、自由世界で開発された新鋭の
哨戒機といえば

米海軍のP−8ポセイドンと海上自衛隊の
P−1の2機種になります。

海自P−1哨戒機
海上自衛隊のP−1哨戒機

米海軍P−8哨戒機
米海軍のP−8哨戒機
(ウイキペディアから)


日本を含む世界16カ国で使用されている
P−3Cも、老朽化が著しく

今後、新型の哨戒機に、換装されて行くと
思いますが

なんと、現時点で選択肢に入るのはほぼこの
2機種に限られてしまいます。

現実的にはほとんどの国が米海軍のP−8を
採用することになるとは思いますが

日本がイギリスにP−1の採用を働きかけるなど

新型の哨戒機を開発しているのが日本と米国
しかないという事実に、感慨深いものを
感じるのは私だけでしょうか。

海自P−3C
海自P−3C

そこで今回は、この海自P−1にまつわる
あれこれについて解説してみたいと思います。


1 なぜP−3Cを延命、改修する道を
選ばなかったのか


今でこそP−1はなかなか良い哨戒機だと
いうことで、この手の批判は少なくなって
きましたが

開発を始めた当初は、P−3Cを延命、改修
した方が安上がりだという議論がずいぶん
ありました。

哨戒機は機体そのものの性能より、搭載
している電子機器の性能が重視されることが
多いためこのような意見が出てきたのかも
しれません

とはいっても、P−3Cの母体となった
旅客機、L−188エレクトラは

1950年代に開発された航空機です。

ロッキードL−188エレクトラ
ロッキードL−188エレクトラ

機体の設計そのものが60年以上前の
代物ですから、能力不足というか、

運用や改良の限界に来ていたと言えます。

それと哨戒機という地味なイメージから
輸送機のように、我慢してだましだまし
使えばいいという発想があったのかも
しれません

しかしP−3Cは輸送機ではなく作戦機です。

主な任務は敵の潜水艦を発見して撃破する
ことです。

最新鋭潜水艦

各国の潜水艦は日々改良され、新鋭艦も
配備されて、性能も年々上がっています。

陸自の戦車74式を改修するのではなく
90式とか10式戦車を開発するのと同じ
事ですね。

陸上自衛隊10式戦車

特に日本周辺は

かってのソ連極東艦隊、そして現在は発展
著しい中国海軍潜水艦が多数行動している
海域です。

ヨーロッパ諸国などは、各国が協力して作戦を
行ったり、最終的には米海軍の対潜水艦網を
あてにできますから、

まあ、哨戒機も米海軍がP−3Cの後継機を
開発するだろうと考えていたのかもしれません

日本も、米海軍に頼るところはあったかも
しれませんが

冷戦期、ソ連極東艦隊の、世界最大の潜水艦隊を
相手に、丁々発止、警戒監視、追尾を行ってきた
海上自衛隊からすれば

海のものとも山のものとも分からない米海軍の
P−3C後継機を当てにしているわけには
行かなかったと思います。

冷戦期のソ連潜水艦

それに、新型哨戒機の開発はP−2Jの
後継機PX−Lの時からの海自悲願でも
あったということもあったかもしれません

注PX−L:P−3Cの導入前の海自主力
哨戒機P−2Jの後継機の開発が計画されたが
米国の横やりで頓挫した。


2 エンジンをなぜジェットエンジンに
したのか


哨戒機は艦船や潜水艦を監視、追尾するための
ものですから、速力はそれほど必要ないと
されてきました

あるいは場合によっては低速で飛行できた方が
都合が良い場合もありました。

ということもあって、これまではターボプロップの
哨戒機が多かったのですが

潜水艦の性能が上がり、探知距離も短く
なってきている現在

任務の多様化にも対応できるようジェット
エンジンが採用されました。

海自P−1のジェットエンジン

例えば、航空基地から450海里のところで
直ちに発進して潜水艦の発見された地点まで
急行するとして

ジェット機:速力450kt(ノット)=1時間

ターボプロップ:速力300kt=1時間半

注:1ノットは1時間で1海里進む速力

時間(速力)にすると1.5倍ですが

その間に、仮に潜水艦が30ktで待避したとして

潜水艦の存在圏は

1時間で2826平方海里(半径30海里の円内)

1時間半で6258平方海里(半径45海里の円内)

哨戒機の急行速力による捜索海域の違い

速力が1.5倍速ければ、哨戒機が捜索
しなければならない海域の面積は半分以下
になります。

簡単に潜水艦を探知できなくなっている現在、
一刻も早く現場に急行できるかどうかは
重要な要素となっています。

海自旧式機のレシプロエンジン
海自旧式機のレシプロエンジン


3 なぜエンジンを4発にしたのか

P−1の計画段階の時に、当時防衛庁長官
だった石破さんが、

信頼性の高い実績のあるエンジンを使って
双発機にしたらどうかという疑問を呈し

それに対して海自側としてはパイロットの
安心感と言うことで4発にした経緯があります。

その後も色々ネット上などで議論があった
ようですが

なぜ4発にしたのか

開発中の国産エンジンの信頼性が低かったので
4発にする必要があったというような意見も
あるようですが

4発にしたのには安全上のいくつかの理由が
あるようです。

北朝鮮の工作船に搭載されていた武器
北朝鮮工作船に搭載されていた武器

まずは、交戦時の生残性

開発が始まったころは北朝鮮の工作船による
事件も発生した時代です。

機銃や、携SAMで攻撃を受けた場合に、
エンジンが1、2発やられても、基地に帰る
余力が必要というものです。

注:携SAMはエンジンの熱などに反応する赤外線
誘導装置のものが多い。破壊力は大きくないため、
大型機だと1発が命中したぐらいでは撃墜できない
場合が多い

双発機でもエンジン1発で飛行できるという
議論もありますが、哨戒機は低高度を飛行
することも多く、

燃料や弾薬の搭載量など条件によっては高度を
維持できない場合もあり、民間機とは同列に
論じられないと思います。

海面ぎりぎりを飛行する海自哨戒機P−3C
海面ぎりぎりを飛行するP−3C

次に低高度を飛行する事による塩害

民間機は洋上を低高度で飛行することは想定
されていません、

ですから当然エンジンも塩分にさらされると
いうことは想定外だと思います。

塩害がエンジンに及ぼす影響について、
議論する知見を私は持っていませんが

海上を低空で飛行するとコックピットの窓が
塩で真っ白なると聞きます。


P−3Cは低高度を飛行した時は、基地に
帰った後、エンジンや機体を水洗いする
という事です。

機体やエンジンを水洗するP−3C

それでもオーバーホールの時には機体の
あちこちに無数の穴(腐食)が見つかる
そうですから、

民間機などとは比べものにならないくらい、
機体やエンジンに負荷がかかっているはずです。

P−1に採用されたF7ターボファンエンジンが、
どれだけ塩害や低空性能に優れているかについても
技術的なことは分かりませんが

少なくとも、一般の民間機用に作られたエンジン
よりは、哨戒機P−1との相性は良いような
気がします。


3つめとして、哨戒機は長時間、洋上を超低空で
飛行することが多いと言うことです。

何時間も高度数十メートルで飛行する

そんな時にエンジンが故障したらどうなるか

双発機なら1発のエンジンが止まると推力は
50%低下します。

4発機なら推力の低下は25%です。

どちらが精神的に、技術的に楽かということに
なります

超低空を飛行する飛行機


結局、双発の米海軍P−8は低高度での運用を
あきらめ、低高度で使用する磁気探知機(MAD)は
搭載せず

低高度での水上艦線などの監視には、地上から
制御する無人機MQ−4Cトライトンを使用
する事になりました。

無人機MQ−4Cトライトン
無人機MQ−4Cトライトン

そうなると米海軍のP−8は高度1000mとか
2000mを飛行しながら潜水艦を追いかける
ことになるはずですが

注:P−3Cは潜水艦を追いかける時は高度
数十〜百メートルくらいで飛行する。

(まさかいくら何でもジェット機に都合の良い
1万メートルくらいの高度で潜水艦を追いかける
とは思えないので・・)

ソノブイや魚雷など、これまでより高い高度で
使用出来るよう何らかの改良が加えられている
のかもしれません。



4 調達コスト

調達コストについては、以前は国産の方が圧倒的に
高く付くという意見が多かったようですが、結局

海自P−1 約170億(2015調達予定価格)

70機調達段階で1機124億円

一方、P−8は1機約300億円

ちなみにインドは、第1弾8機で21億ドル
(最終的に24機を予定)

1ドル120円として(2015.4.23現在)

1機315億円

加えて、MQ−4Cトライトンを導入することも
考えるととんでもない金額になってしまいますから

調達金額としてはP−1で良かったということに
なります。

P−3Cのソノブイランチャー
P−3Cのソノブイランチャー

5 P−1の輸出

日本も以前では考えられなかった武器輸出の
緩和があり

イギリスにP−1の導入を打診したという話が
報道されています。

これまでの同盟関係、軍用機の実績、乗員の教育

日本との関係や、武器販売のノウハウ

あるいはヨーロッパ諸国の多くがが米国製の
P−3Cをこれまで採用していたことを考えると

イギリスが日本のP−1を採用する可能性は
ほとんど無いように思われますが

まずは武器市場に乗り出す第一歩としての
意義は大きいと思います。


プラスして

P−8が低空で運用できないという、
とんでもない欠陥?

アメリカですからこれまでのように画期的な
パラダイムシフトを考え出し、

従来の洋上哨戒や対潜戦のやり方を根本的に
変えてしまうという可能性もありますが

取りあえず、これまでの哨戒機の運用方法から
発想すると、P−8が使い物にならない

なんて可能性も、個人的に想像(きたい)したり
しながら、今後の推移を見守りたいと思います。


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